坊主バーの京都礼法講座

新緑深まる五月晴れの日に、五月の京都礼法講座を行いました。

今回は先月に学んだお煎茶の淹れ方の実践編。

たしなみ教室たしなみ教室
一番茶、二番茶、三番茶。それぞれの淹れ方、そしていただき方、味わい方について学びました。現代の日本人にとって、お茶はコンビニや自動販売機などで簡単にペットボトルのような形で手にすることができる、日常的な、水を飲むような感覚のものになっています。

そ のペットボトル製品も、有名どころのお茶の名前が入り、製法や味わいなどが季節によって多数商品展開され、手軽に口にすることができます。  その手軽さ、便 利さは時代の流れとしてすべて批判するべきものでもないのですが、「渋み」「苦味」「香り」と三度も味わうことができる贅沢品であることを忘れてしまうと いうのは、日本人としてとてももったいないことだと痛切に感じます。

090 (150x145)

特に三番茶の「香り」は日本人の微細な感覚が研ぎ澄まされるような味わい方で、こういった正しい淹れ方、いただき方を知ると、お茶の葉を選ぶという行為そのものにも楽しみが加わり、豊かな気持ちが生まれます。贅沢品、とは申しましたが、だからこそ、日常の家庭や職場において、一人でも知っている人がいるといいと思うわけです。これは日本人が古来から育んできた知恵であり、本来DNAに刻まれているものだからです。

お茶を撒いて、箒で掃くとつやと香りが出てきます。

たしなみ教室たしなみ教室

私自身も過去に企業の人事担当として人材育成をしておりましたので身に沁みて感じることですが、お茶の淹れ方が正しくできるだけで、その会社全体の印象が伝わります。
日本の作法はまさに心のあらわれであり、多くを語らなくとも伝わる礼儀でもあるからです。

たかがお茶、されどお茶、ですね。

今回は最後に白湯のおいしいいただき方もご教授いただき、お菓子と共にいただきました。白湯のスパイス・・・お塩とお砂糖。想像つきますか?五月のお菓子は「千本玉壽軒」の「日月菓」。

たしなみ教室

こちらは「裏具」とのコラボレーション商品で、四神をモチーフにしたお干菓子です。
今回は東の神「青龍」を。さぬき和三盆のみを使用したとろっとした口溶けと後口のいい味わいでした。次回はお抹茶のいただき方。そろそろお着物も夏仕度です。 Tomomi .N