上巳の節句茶会に寄せて
紅白の梅が満開の京都梅小路公園内茶室にて、初めての茶会を行いました。
心配していたお天気も回復し、当日は花曇りではありましたが、時折、春の柔らかい薄陽が茶室の窓越しに入り、長閑かな茶会日和となりました。
3月3日の桃の節句にちなみ、皆さまとお雛様を囲み、雛の遊びを嗜み、春の訪れを感じながら親睦を深める楽しいひと時を過ごすことができました。
――上巳の節句茶会記――
炉 薄茶
床 釈正輪 筆 「和」
花入 青竹
花 桃
お雛様 木目込人形 立雛 菱餅 甘酒
香合 金襴手 定家作 「龍」
伽羅
菓子 早咲き桜 つくし
床に掛けられた師匠の直筆の書は力強く躍動的な中にも丸みがあり、気品とやさしさが滲みで、細やかな細工と繊細な美しさの雛人形と上 手くつり合い。
そこに七分咲きの桃の花が優雅な風情を醸し出していました。
席入前の待ち合いでは、あられ茶=ぶぶ茶 を飲んで一服していただき、しばし暖を取って頂きました。
茶会は午前中一席、午後から二席行われ、午前中は中学生のお子様を含むメンバーの家族や友人が出席してくださり。
午後からは師匠の礼法教室関係者・工芸家・教育関係者・きもの学院長・茶会初体験の外国の方など、多方面にわたり、沢山の方々にお越しいただきました。
薄茶席の後には再び待ち合いで“甘酒”を振る舞い、庭園を眺めながらゆっくりと過ごして頂きました。
その頃には初対面の方々も和気藹藹と話が弾み、名刺交換される方、後日お酒を御一緒する約束を交わされた方・・・などテーマの“和”の 通りに、新しい交流が生まれる場となった事は大変喜ばしいことでした。
又、このお茶会を実現させるにあたり、沢山の蔭の助っ人にお力をお借りしました。
当日カメラマンとして大津よりボランティアで来て下さり、膝が痛いにも関わらず無理な体勢でシャッターを切り続けてくださったロマンスグレーのジェントルマンTさん。
前日の準備から凛々しい袴姿で御来場下さり、三席とも正客を務めてくださったとっても素敵な声のダンディ―な殿方Yさん。
お客様として来て頂いたのにもかかわらず、私達の着物の着くづれを直して下さった着物学院の学院長O様。
美味しい甘酒を麹より手作りで2時間ごとにかき混ぜ10時間かけて作って下さったメンバーのお母様。
手造りのひな人形を快く貸してくださり、又青竹を切って花入れを造ってくださったメンバーのおばあさま。
このように多くの方々にお手伝い、ご協力いただいたおかげで、今回の茶会を無事に成し遂げることができました。
メンバー一同心より感謝申し上げるとともに、暑く御礼申し上げます。
私達メンバーは礼法を習い始めて3年余り、短い者で1年になります。
毎月熱心な師匠のご指導の下、地道にお稽古を重ねてまいりました。
今回のこのような会が持てた事は、私達にとって大変有意義で貴重な経験となり、今後のお稽古の益々の励みになることでしょう。
これからも師匠の“楽しく学びましょう”をモットーに継続し、一つ一つを丁寧にたしなみが心と体に備わるよう頑張って行きたいと思います。
そしてまたの機会に再び皆さまとお会いできることを楽しみにしております・・・
Yuko・I
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