立秋を過ぎたとはいえ、相変わらずの暑さが身に応える今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
8月は京都のたしなみ教室にて「書」の第二回目のお勉強会がございました。
7月の第一回目では「自分の名前」と「お気に入りの一文字」の課題でしたが第二回目の今回は、師匠がそれぞれ私達のために選んでくださった万葉集の和歌を書き写してみましょうという課題でした。
☆まず一つ目の課題は、自分の硯ですった墨で自由に書きたい様に、歌を書いてみました。
和歌を書き写すときのポイントは、必ず声に出して詠みながら書くこと。
筆ペン以外の本格的な毛筆書きに○十年ぶりに挑戦しましたが、どうしても鉛筆で書くような持ち方しかできず、うまく書きたい、という気持ちが文字に表れて、ちょっと角々したぎこちない出来になってしまいました。
☆二つ目の課題は、用意していただいた薄墨?で流れるように書いてみました。
文字を流れるように書くのって、難しい・・・
うまくできずに試行錯誤していたところに和尚様から貴重なアドバイスを頂きました。
※ 利き手の右手で筆を持ち、左手の甲で右の肘を固定して、指先を使わず肘で書いてみるようにと。
初めは不慣れでしたが、不思議なことに、慣れてくると自由にさらさらと書ける気がするのです。(うまいかどうかは別として・・・)
仕上がりは、一つ目の歌の時より、肩の力が抜けて、書くことができたかな。
さて、師匠がそれぞれ私達のために選んでいただく歌について。
私のために、師匠が選んでくださった和歌のひとつめは・・・
★二人行けど 行き過ぎ難き秋山を いかにか君が ひとり越ゆらむ (大伯皇女)
大伯皇女が弟の大津皇子を思い詠んだ歌で、再会した弟が、辛く心細い秋の山道をひとりで帰っていく弟の身を案ずる姉の不安な気持ちを表した歌。
原文の確かな意味が分からなくても、不安な気持ちが伝わってくるのに、あらため解釈文を読んでみると、なんとももの悲しい様子が伝わってきて、鼻の奥がつんとしました。
そして、さらさらと流し書きの2番目の歌は・・
★三輪山を しかも隠すか雲だにも 心あらなも 隠さふべしや (額田王)
ずっと見ていたい三輪山をどうしてこのように隠すのか、雲に心があるのなら、隠さないでくださいね、と懇願しながら,それでも故郷を後にしなければならない切ない思いを表した歌でした。
書き始めると熱中してしまって、腰痛であるにもかかわらず、ずっと座りっぱなしで集中して書き続けること約3時間・・・
バランスが悪いな~とか、どうしてもうまく書けない文字があったりして、なかなか自分でも納得のいく書にならず・・・
今日は書道とは書く文字または文章を通して、その人の個性を写しだす奥の深さを、あらためて認識したのでした。
本日は和のたしなみにふれ、充実したひとときを過ごすことができ、心から感謝いたします。
まだまだ暑さ厳しいゆえ、皆様くれぐれもお体ご自愛くださいませ。
S・M
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