お仏間の次のお居間で、『今頃は六時に床を出て枕元の手まはりの品は自分で片づけます。お花の水を取り換へてお仏壇のお掃除をして、少しの間、読経します。
朝のこの仕事が一日中で心楽しい時です。朝はパンであとは二食共御飯です。まあ軽いお魚や野菜類が多いですネ。
青山の墓所には一日をきにゆきます。いつも思ふ事ですが、手術をしても毎日元気で暮らせるのは、仏が守ってくださるのだと感謝しています。
それに皆様がさぞ隠居になって淋しかろうと、代るがはるに遠方にも係らず、お訪ね下さるので、淋しい思ひを一日もせずに、隠居の家のようでないと云はれる程に、お客様で毎日を過ごしています。
これも仏の生前の徳のおかげと有難いことに思っています。・・・』
御後へ紡いでまいります・・・
※ 原文のままの文字使いを使用しています。
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