このお話のあとで、私に千代子刀自は、生形見として『私が総理夫人として、はじめてのお正月に締めた目出度い丸帯です。貴方にはまだ地味ですが、年をとられたら締めて下さい』と、金通しの松の織物の丸帯を下さいました。
七月十一日、未亡人に付き添って、鉄相内田信也、農相山崎達之輔、逓相床次竹次郎、鈴木梅四郎の諸氏を訪問なさいました。
八月二十三日、軽井沢の離山山麓の泉の里にある芳沢別荘の離れにをられる未亡人を訪問、中食後、鳩山別荘にもゆきましたが、芳沢別荘に泊り、未亡人のお相手をしました。
…
九月十八日、上野府立美術館の朝倉塾展に出品されました、故犬養首相の約一丈ほどの銅像を、製作者の朝倉文夫先生の御説明で、未亡人、芳沢、多田、鷹居、中村の御身内の方々と拝見いたしました。この銅像は、岡山県吉備軍高松町、吉備津神社の境内に建立されました。
御後へ紡いでまいります・・・
※ 原文のままの文字使いを使用しています。
- 投稿タグ
- 京都