三月十六日熱海より帰郷されました未亡人を、健氏夫妻、芳沢、秦、山田、猪野毛の諸夫人と共に、東京駅に出迎へました。

九年五月十五日、寛永寺で三回忌の法要には、斉藤実首相以下各大臣、政友会総裁鈴木喜三郎氏各代議士、清和会の諸夫人等が参列されました。清和会は五月十一日に未亡人宅の御佛前に「香木」黒塗蒔絵箱入りをお備えいたしました。金二十円でありました。

清和会は創立の六年と七年の二ヶ年の記録と写真等をまとめた、会報を八年正月に会員に配布しましたところ、好評でありました。
それで第二号(九年)には「このごろ」と題して、お佛前の前で数珠を手にされた、犬養名誉会長のお写真をのせて、御近況を記しました。(記事抜粋)
入梅時の曇ったむし暑い日の午後、麻布笄町の御隠宅にお訪ね申し上げました。
お沸間のお床には故犬養先生の御筆になる「仏心」の横掛、お仏壇の銀製の花器には、遺愛のバラの花、本会よりお供へ申した「香木」が飾られ、果物お菓子など心を込められたお供物でした。

やまとなでしこ

 

御後へ紡いでまいります・・・

※ 原文のままの文字使いを使用しています