私も今年は古希ですが、別に祝ひはしません。

私も七十といふ事を忘れて気ばかりは、若い人と同じように、いろいろ知りたい欲を持ちます。
清和会も毎月出席することは、矢張り年のせいか以前のようには出来ませんが、いくら隠居しても会のことは気になります。
お互いに死ぬまでは、修養しなければならないのですから、清和会をそのために、有益に利用して下さって、皆様のお力でどうかして、清和会を段々と盛んに大きなものにしていただきたいといふ事ばかり考えます。私の皆様へのお願いはいつもそれなのです。

清和会から去年此の家の新築祝ひに下さった可愛らしいお人形、清ちゃんといふ名前でしたネ。夏の着物を新調して着せましたよ。塩原さん見て下さい。私も十三人の孫と、七人の曾孫があります。老人の生活は変化がなくて、お話するほどの事もありません。いつも此の老人を皆様が心配して下さって、ありがたいと思ひます。』
御後へ紡いでまいります・・・

※ 原文のままの文字使いを使用しています。