講和に依って再建国家の希望の光りが一筋サッと流れてきて、それからは敗戦に依る濃い霧の空が薄らいでゆく気持ちで、物心ともに明るさを求めて生活してきました。
けれども、二十八年からの不景気風は、物価上昇、金融引締と大衆の生活苦はきびしいものでした。
犬養家にとってもずいぶん変化に富んだ、二十三年間であり、歴史の中にあまりにもむき出しにされてきたような、健氏の存在でもありました。
最近は法務大臣を辞任されたばかりで、木堂居士二十三回忌法要にあたり、代議士の肩書だけであることの方が、御尊父木堂先生はお喜びになると申したら、健氏に対して皮肉でもありましょうか。
御後へ紡いでまいります・・
※ 原文のままの文字使いを使用しています。
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