~龢【和】を尊ぶ心を育み、世界へ繋げる~
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備中庭瀬の人

八月二十二日午後二時、上野寛永寺、寺中の津梁院で故犬養首相の百ヶ日忌の法要には、水野、山本、高山、植原、砂田、鳩山、秋田、安藤、古島、板野、山下の諸夫人と同席いたしました。 政友会総裁鈴木喜三郎氏に、鳩山夫人は「私の友だ …

訪問時の大切な事

京都坊主バー主催の礼法教室 訪問時の大切な事。迎える側と迎えられる側の双方が心を通わせる暖かい気持ちを持つこと。 礼の仕方や立ち方等も綺麗に見せる、つまり見る側に不快な思いをさせない。 その方の所作に見えてくるものが沢山 …

新盆

六月十八日の五七回忌。 七月二日の七七日忌(四十九日)の法要にも参列しました。 七月六日午後九時四十五分発の汽車で、故犬養首相の呉分骨を健氏が奉持されて、郷里岡山に出発されますのを、東京駅に鳩山夫人その他大勢の人々と共に …

5月15日以降 (4)

半年後、私邸を出て首相官邸に移られるときは、二,三年は犬養内閣はつづくものと、思ってをられたのでありましょう千代子夫人の胸中を想いますと、働きながらお互い泪ぐんでをりました 夕方までには無事に引移られました。四谷の犬養邸 …

十五日以降

昭和七年五月十六日午前二時すぎ、首相公邸を若宮貞夫夫人と共に辞去しました。 真夜中の街は、さぞうす暗いもののように思ってをりました私は、街頭のあかるさにおどろきながら車で帰宅いたしました。 … 張りつめていた …

5月15日以降 (3) -思い出多い首相官邸の庭-

聖上、皇后、皇太后、各宮家の榊、供物と各氏よりの幾百個の生花、花輪が列び、臣民としては最高最大の天台宗に依る葬儀は、勅使の御代香、各宮家の御代香、高橋是清首相以下各大臣朝野の各士の焼香、清和会を代表して私の他六名が特に参 …

5月15日 (8) -切り下げの喪服姿-

「おかあ様をひおひとりにしてはいけないわ。誰かおそばにおつきしてゐて下さい」と仲子若夫人はそう云って、私と顔を見合わせました。 「お気をつけた方がよろしいわ」と小声で私が云ひますと、仲子夫人は深くうなずづいて、台所の方へ …

十五日以降 (2) -白いカーネーションを一輪-

次ぎ次ぎとこられます弔問者の応接で、私はほどんどお居間を出られませんでした。木堂先生(犬養氏)の御遺骸のそばに、長く居られます御縁の深さを喜びました。 夕方やっと帰宅して、入浴後一眠りしました。喪服に改めまして、公邸にゆ …

5月15日 (7) -人は自らの死に所を悟らねばならぬ-

「ええ、大丈夫です」と力を込めて私が云ひましても、すぐまた聞かれ、三分おきぐらいに、同じ言葉をくり返します。 「大丈夫?」「大丈夫」と互にくり返してゐます中に、私は段々と不安になってじまして、病室のざはめきが気になりまし …

5月15日 (6) -ね、おぢいさまは大丈夫なの-

ハッとして、仲子若夫人とお互の眼を見詰め合ひ私はうなづきました。 通用門を出ますと、ドッと新聞記者たちにとりまかれました。口々に容態を聞かれましたが「おちついてをられます」とくり返しながら、人々を分けて、向側の秘書官邸の …

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